受けの意味と役割 ③ (Breakfall or 飛び受身)

Jun 21
2010

先ず初めに合気道の立場からみてBreakfall と飛び受身(飛翔受身)は、ニュアンス的にちょっと違うと思う。

でも、飛び受身を英訳するとどうしてもBreakfallになってしまう。

Breakfallは、どちらかと言うと、墜落の衝撃を和らげる方法、つまりfall(墜落)をBreakするだけの様な感じの柔道的な受身の方法である。

然し、合気道においての飛び受身とは、fall(墜落)をBreakするだけでない柔道とは決定的に違う目的と意味がある。

それには、先ず柔道受身と合気道受身の根本的な目的の違いを理解しないといけない。

柔道受身は、技の終わり即ち試合の終わりに行い、しかも、それは受身を取った方が負けた事を意味する。

なので、投げられる方(合気道の受けのあたる方)が投げられない様に踏ん張って耐えて、限界がきて耐え切れずに急激な勢いで激しく畳に叩き付けられるのが柔道のBreakfallである。

だから世界中の柔道界では、受身を取る事は負けを意味するので、皆技だけの練習で受身の練習をあまりしないというとても危険な事をやっていると聞いた。

そもそも、受身の意味は、自分の身を守るのを目的としているのに、試合の勝敗の為に身の安全を犠牲にしているのはとてもおかしい事だ。

元々の「柔良く剛を制す」の柔道は、今や勝つか怪我かのスポーツマンシップとはかけ離れた物になってしまった。

合気道の受身の場合は、技の終わりではなく、次の攻撃の為に安全に技を受ける技術であり、亦は、返し技を掛ける準備で受けの方が自分から飛んで行うという決定的な違いがある。

なので、受けの方(投げられる方)から自分で飛んで落下に備え安全に柔らかく受身を取るのが合気道の飛び受身だ。

おれはちょうど、階段で最後の段を知らないで踏み出して、ガクッと体に衝撃が伝わって痛い経験いをするのと、最後の段を知ってて踏んで体には痛みが無い場合と似ている。

前者は、身心ともに衝撃に備えていないのと後者はやってくる衝撃に対して心身ともに備えている場合である。

なので、柔道受身はバーン!と激しく痛みが大きく合気道受身はフワッ!柔らかく痛みが最小限の受身はずである。

唯、最近は演武会等では、取り受けと分かれてやっているので、本来の合気道(柔術)の受身の目的を必要としないのでそれを知る人が少ない。

そもそも、古流柔術で技によっては、受身が返し技の始まりでもある。

そして、そもそもの受身の目的が違うので、着地方法も合気道と柔道とでは違う。

柔道受身の目的は、唯の安全な着地なので手と身体が同時に畳に付いて、下に来る足は伸ばして衝撃を吸収する着地をする。

だが、合気道本来の受身は、手を先に付ける様に身体を空中で丸くし、手>肩>腰>足の順に畳に付いていく様にし、足はすぐに次の動作に移れるように膝を軽く曲げ、しかも身体がリラックスし最小限の衝撃と音で着地するのが、合気道の理想の飛翔受身である。

唯、飛び受身の練習し始めは、慣れるまでに強制的に取りに投げてもらう様にして痛みや衝撃等に対する恐怖心を克服していかなければいけない。

そして其の内相手に合わせて自分から飛ぶ様に技を受ける稽古をする。

そして、返し技を想定した稽古では、受けは常に技の先手の状態で状況をコントロールしていないと、技の後手でやられてる状態だと返し技はおろか安全な技回避も出来ません。

結論、柔道受身は、単純に安全に技を受ける方法で、合気道受身は怪我無く次の動作に移る為の方法という事。


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